日本のおいしいを発信していきたい~発酵料理家 真野遥さん~
はじめに
日本はとても発酵文化が盛んです。日本酒、焼酎、納豆等様々な発酵食品があります。今回は発酵料理を研究している真野遥さんのイベントにお邪魔してきました!
【イベントにて】
10/22(日)に日本橋のBETTARA STANDで行われました。
今回のイベントは株式会社秋田ことづくりさんのFruitreatと真野さんのコラボイベントで秋田の美味しい果物と日本酒を伝えるという目的で開催されたイベントです。真野さんが秋田の果物を使って、日本酒に合う料理を参加者にレクチャーする料理教室と交流会です。今回は「シャインマスカットと日本酒」をテーマに開催されました。
最初は秋田からFruitreatの代表である矢野さんからテレビ電話で繋がって、今回のイベントやFruitreatについてご説明がありました。
Fruitreatとは
Fruitreatは毎月秋田から果物と日本酒が届くサービス。
都内に住む方に秋田の美味しい果物と日本酒を届け、秋田の魅力を知ってもらいたいという思いで運営している。都内のお店ではFruitreatの日本酒が店頭に並ぶことはほぼなく、Fruitreatの配達サービス限定で手に入れることができる。
〈参加者の皆さんで楽しく料理〉
いよいよ皆さんで料理をしていきます。
まずは真野さんがレクチャーとして作ってくださいました。
やはり手際がよく形も色もきれいです!!
この後は、二人組みに分かれて3品の料理をつくります。
シャインマスカットと魚介のマリネ
チキンとシャインマスカットのグリル
シャインマスカットの洋風白和え
皆さん楽しく交流されていました
手際がとても良くあっという間に3品が完成いたしました!
とても美味しそうです!
料理ができた後は皆様で日本酒と一緒にお食事です。
僕もありがたいことに分けて頂きました!
シャインマスカットと魚介のマリネはレモンがかかっていてとてもあっさりして食べやすい!
チキンとシャインマスカットのグリルはマスカットを炒めてマスタードで味付けするという斬新だと思いますが、マスカットの甘みがちょうどマスタードのきついからさと調和してとても美味しかったです。
最後にシャインマスカットの洋風白あえ。
これは豆腐がマスカットと和えており、本当にスイーツのような感覚で楽しめました。お豆腐だからヘルシーで健康的でいいですね!
楽しいお食事が終わった後には参加者の皆様全員で片付けです。
お話しながら洗い物したり片付けたりするのもこれもまた楽しいですよね。
【参加者の方の声】
満田さん
日本酒とフルーツがこんなに合うとは思わなかったです。
川島さん
日本酒の見方が変わりました。もともと美味しいと思ったことはなかったのですが今日は本当に美味しかったです。
一ノ瀬さん
日本酒が好きで参加しました。
日本酒とフルーツという発想が斬新だと思いました。
日本の食べ物はレベルが高いと改めて感じました。
西村さん
楽しくて美味しかったです。
もともと日本酒とシャインマシカットは合うだろうとは思っていましたが調理をするという発想がなくて驚きました。人を家に招待したりするときに出す料理にレパートリーが増えました!
【発酵料理研究家 真野遥さんインタビュー】
〈発酵料理家って?〉
ウェブページ向けのレシピ開発であったり、メニュー開発、飲食店向けにメニューの提案を行っています。後はこういった料理教室を定期であったり、不定期に開催しています。またセミナー講師や、イベントに招かれてそこで料理を作って提供したりします。あと、こういったものとは別に日本酒のライターをやっています。
あとは、地域の特産品の商品開発に携わることもあります。
—発酵料理に着目したのはなぜ?
もともと日本酒が好きで、酒蔵に行ったりしたんです。日本酒の勉強をする上で発酵のメカニズムを知ることができて、微生物の力ってすごいなと思い、発酵を利用した料理もしてみようかなって思って勉強や活動をし始めました。そのタイミングで発酵ってとても謎が多いと思って、本を読んでもよくわからないことだったり、本当に自分の知識は正しいのかと思うこともあって、自宅で実験をしていても微生物が見えないからどうなっているのか詳しくわからなかったんです。そのタイミングで丁度東京農業大学の先生と飲みに行く機会があって、そこで醸造の研究室を紹介して頂き今年の4月(2017年4月)から通いはじめました。
なのでそれまでは、フードコーディネーターとして活動していてフードコーディネーターってすごく裏方の仕事で、ドラマや広告の撮影に使う食品、つまり見せるための食品を作るのでそこまで味にこだわらず食べられないものを作る仕事が多いんですけど、こうして様々な食に触れていく中で、食の見た目だけではなくて食の中身のこともやりたいと思って食の素晴らしさなどをより伝えることを重視していきたいと思い肩書を発酵料理家に変えました。
—肩書と言うより仕事が変わったんですね?
そうですね。
もともとは日本酒ライターとフードコーディネーターと言っていたのが、発酵料理家の変えました。日本酒も好きですし、発酵料理も好きなので、「発酵」を切り口にしたら、私の伝えたいことは伝えられるなと思い、思い切ってこの肩書にしました。発酵をテーマにすると一見狭い範囲かと思いますが発酵から派生することで色んなことができるんです。
〈まずは日本から〉
—ヨーグルト等は詳しいのですか?
私は(ヨーグルトは海外発祥なので)あまり海外には詳しくないんですけれど、まずは日本のものから発信していきたいなって思っています。日本酒は麹での発酵で麹は基本日本特有のものなんです。一応東アジアの一部にも生息しているみたいなんですけど、そっちの方はクモノスカビというカビで、日本は日本麹カビで日本の風土が育んだもので今は特に麹菌を研究していて、ヨーグルトとかの知識は疎いです(笑)
—日本の文化を大切にしたいと?
そうですね。
やはり日本酒の良いところって、造っている人に会いに行けるところなんですよね。日本酒ってたくさん種類があって、地域それぞれの特色が出ていて生産者の方もとても意欲があるんです。そういったところに簡単にいけて、私はそういった身近なことを大切にしていきたいです。
〈イベントを通して〉
イベントだと本当に色んな方と出会えるのがとてもいいです。
わたしはよくお店をいずれやりたいんですか?と聞かれることがあるんですけど、お店は持ちたくないんです(笑)私は色んなところに行くのが好きなのでお店があると、なかなか自由には動けないですし、あとは色んなところでイベントを開催することでその開催地だからこそ来る人たちに出会えて、そこで色んなことを聞けてすごく勉強になります。そしてこういった場で消費者の方々と出会うことでそれを生産者の方々にフィードバックができるというのも魅力ですね。
—生産者と消費者の距離を近くしたいんですか?
そうですね。生産者の方は作るということは長けているんですけど、売るところまでに手を回すのはなかなか難しいです。私は生産者の方が作った良いものを伝えていきたいです。いいものがあったとしてもただ売られているだけではその良さというものが伝わらないです。なので私はその良い物に付加価値をつけてしっかり伝えたいです。
〈今後のビジョン〉
私の最終的な目標は出版ですね。最初はレシピ本を出したいという漠然としたものだったのですが、今は日本酒の研究であったり、日本酒の生産者の方々とのつながりがあったりしてそういったものの良さを伝えていけたらなと思います。そういったものを本や雑誌などで発信していきたいです。出版を2、3年以内にしたいなと思っています。
【編集後記】
今回は初めて食をテーマとした取材でした。
自分が本当に日本の食文化に関心があるので、真野さんの身近を大切にする心や消費者と生産者のつながりを大切にしているところが尊敬しました。未成年でしたので日本酒は楽しめませんでしたが、今度は参加者として楽しみたいです。