性暴力ってなんだろう?〜しあわせなみだ性暴力編〜
はじめに
AV出演強要問題、JKビジネス、キャンパスレイプと記事を書いてきましたが、結局性暴力とは何なのでしょうか?最後はしあわせなみださんが考える性暴力についてお伝えしていきたいと思います。
性暴力とは?
性暴力という言葉は法律の用語で言えば「性犯罪」、「性的虐待」等があります。みなさんに「性暴力とは?」と聞いて一番多く答えるのは「レイプ」です。これは性犯罪に当たります。性的虐待という言葉は「児童虐待防止法」「障害者虐待防止法」「高齢者虐待防止法」に使われている用語です。そして強姦、公然わいせつなどの性犯罪、性的虐待、セクハラなどすべてを総括して表した言葉を性暴力と呼んでいます。しかし性暴力という言葉は法律の中には使われていません。
しあわせなみだでの性暴力の定義は「本人が望まなかった性的な出来事」です。たとえ相手側(加害者)が性暴力ではないと主張しても、被害者が性暴力だと感じたならばそれは性暴力であると考えています。「何が性暴力か」は人によって、性的な接触をする相手によっても異なりますし、同じ人でもそのときの状況によって異なります。例えば恋人ならOKなことも見知らぬ人や上司にされたらイヤ、という行為もありますよね。また夫婦間でも「今日は良いけど明日は嫌だ」なんてこともあります。一度OKしたら、いつでも性的な接触を承諾しなければならない、なんてことはありません。相手が承諾をしていないにも関わらず性関係を強要してしまったらそれは性暴力です。その時、その瞬間に相手が性的な接触を望んでいるかどうかということを認識することが大切です。
会社の上司に「ちゃん付け」で呼ばれたことがセクハラに…どうゆうこと?
現在では多くの会社がセクハラについて気を使って取り組むようになってきました。しかし多くの会社のセクハラ対策は「リスクマネージメント」です。要するにセクハラで会社が訴えられないように対策しているということです。本来セクハラの問題はダイバーシティの観点から考える必要があります。
なぜ「ちゃん付け」で呼ぶことがセクハラとなるのでしょう。人によっては「ちゃん付け」で呼ばれたことに対して下心や不快感を感じることもあります相手の名前を呼ぶ時には、その人とどういう関係にあるかが重要です。地位が上の人がそれを利用してちゃん付けで呼ぶことは、呼ばれる側からしたら不快ですよね。仲良く親しみを持って呼ぶのと、圧倒的な上下関係の中で呼ぶのとでは全然違います。
会社のリスクマネージメントの考え方でいくと「ちゃん付けで呼ぶことはやめましょう」といった規則が作られることになります。しかし本当にセクハラをなくすために必要なのは、相手の気持ちを考え、組織として社員全員が働きやすい環境を考えることだと思います。例えば呼び方に関しては相手に「なんて呼ばれたい?」と聞いてみれば、コミュニケーションが円滑になるきっかけにもなります。しっかりと言葉にして相手の意思確認することが大切ですね。
まとめ
これでしあわせなみださんのインタビュー記事は終わりです。
僕が代表の中野さんと初めて出会ったのは、2016年6月に行われた私たちの親団体であるSOIFの寄付体験イベントでした。そのときのイベントのテーマが「女性」で女性について支援活動をされている団体が3団体来てくださったうちの1団体がしあわせなみだの中野さんでした。中野さんのお話を聞いたとき自分が思っているよりも日本は性暴力が多く、またそれに対して鈍感なんだと衝撃を受けました。しあわせなみださんの活動に興味を持ちました。僕が学生団体Apatiteを立ち上げ、団体訪問という活動をすると決めたと同時に「しあわせなみださんには絶対に取材に行こう」と決意していたので今回このように取材することができてとても光栄でした。まだまだ性暴力について疎い日本。僕はまず自分の身の回り大学などから呼びかけ性暴力のない国にしていきたいと思いました。そして今後ともしあわせなみださんの活動を学生に伝えていく役目を僕達が担っていこうと思います。
押久保 翔也